バレンタインにはここぞとばかりに気になるチョコを買って
(そのネタもこちらの師匠から仕入れたけど)
お世話になりっぱなしの方々に思うままに配り、思うままに食べる(オイ)
そんな習わしとなって久しいもので
お返しを戴くとエラく申し訳ない気持ちで一杯になる次第でして。
でーん。
私、これを渡される途中、紙袋の大きさが見えた時点で何かわかりました。
ギャーーーーッ!!!
いいんですか、こんなものいただいちゃってーーー!!!
高さ30センチもあるこの箱の中には、幻のこんなものが入っているのです。
ドーン
美しくドレーピングされたビニールを開くと
かぐわしいオレンジのかほり。
オーボンビュータンのガトーピレネーでございます。
バウムクーヘンの元祖といわれるフランス・ピレネー地方のお菓子。
ガトー・ア・ラ・ブロッシュ=串刺しのお菓子、ともいうそうで
バウムと同じく木の周りに生地を垂らして
木を廻して焼きつづけるという、なんとも原始的なお菓子。
ブタの丸焼きに通じるものがあるよね。(え?)
お店の説明書には
「1850年よりピレネー地方で始められた薪で焼いた薪形菓子」とあるけど
ドイツのバウムクーヘンはギリシャ時代からあって
祭りのシンボルとして使われていたと聞くし
その辺のことは詳しく調べがつかないので寝かせておくとして。
(バウムの衝撃の歴史についてはまた次回)
フランスの南西部、スペイン国境に近いピレネー山脈の麓には
小高い丘の上にできたコルド・シュル・シエル=空の上のコルド
という村があって、フランスでも指折りの美しい村だとか。
ラピュタのモデルにもなったんじゃないかというハナシまであるんだって。
そんな美しい村のある地方で生まれたガトーピレネー。
外側は粉雪が舞ったように薄く白く、カリっとした軽い甘さ。
中味は一枚一枚がバウムクーヘンより厚く、思ったよりサクッと軽い。
この大きさなのに、そんなに重くないのです。
軽く、乾いたようなのに噛み締めるとシットリとした香りと深い味わい。
そして小さなオレンジコンフィが混じっているので
更に軽やかにすっきり食べられちゃう。
シットリネットリもしくはシットリフンワリそんなバウムの流行とは逆を行く、
仙人のおやつの雲のような軽くて高尚な味わい。
好きだーーーーっ。